イスラム債(いすらむさい)
イスラム教の教義であるイスラム法に基づくイスラム金融では利子の受取り、不確実な取引、投機的取引などが禁止され、実物取引を介した取引(転売契約、賃貸借契約)、事業への投資を介した取引が主な取引形態となっている。これらイスラム金融の取引を通じて得られる収益を証券化した商品のことをイスラム債(sukuk、スクーク)という。
日本では、2008年の銀行法の施行規則の改正により、邦銀も海外子会社を通じてのイスラム債による資金調達が可能となった。2011年には資産の流動化に関する法律の改正により社債的受益権と位置づけられたイスラム債が社債と同等の性質を有する証券として国内でも発行が可能となるなど法制面の整備が行われた。その一方でイスラム諸国間でも地域や学派、時代などによってイスラム教の教義が異なるため、今後、イスラム債の取引に関する国際的な統一ルールの整備が必要となるなどの課題も残る。