インフレターゲット(いんふれたーげっと)

インフレターゲット(いんふれたーげっと)

分類:経済

正式名称はインフレーション・ターゲティング(inflation targeting)。中長期的なインフレ率の目標値(あるいは目標幅)を数値として明示する、金融政策運営の枠組みのことをいう。中央銀行の独立性などの前提下で、政策運営の透明性を高めることを目的としている。

日本では「インフレ目標」政策がしばしば論議の対象となり、過度なインフレを抑制しつつデフレ経済を克服するための政策手段として注目されている。第2次安倍晋三内閣によるアベノミクスの政策の下、日銀は数値目標を明示することとなった。

一般的に、期待インフレ率(将来の予想される物価上昇率)は為替、エネルギー価格、または賃金の上昇等経済情勢の変化に大きく左右されるが、中央銀行が期待インフレ率に対して一定の目処をもって金融政策を運営することにより、市場の過剰なインフレ期待をかえって抑制し、緩やかなインフレ期待によりデフレ経済を克服できるのではないか、との見方がある。

しかしながら一方で、市場のインフレ期待は不安定で変化しやすく、インフレが過熱した場合に制御できない懸念があるとして、「インフレ目標」政策の導入に慎重な見方もある。