円建外債(えんだてがいさい)
一般にサムライ債と呼ばれる債券であり、海外の発行体(非居住者)により日本国内市場で募集(公募)・発行され、発行時に日本円で払い込まれるものをいう。リバース・デュアル債(利払いが外貨、償還が円)や順デュアル債(利払いが円、償還が外貨)の形式をとったサムライ債も発行されており、利金や償還金については必ずしも両方とも円である必要はない。
歴史的には、国際収支の黒字幅拡大や外貨準備の急増を背景に、1970年にアジア開発銀行が発行した60億円のものが第一号であり、これが東京資本市場の国際化の端緒になったと言える。当初は国際機関又は国、州、公的機関のストレートボンドのみだったが、次第に発行体、商品共に多様化されていった。
最初の民間企業銘柄は1979年のシアーズ債である。1989年には最初のリバース・デュアル債がデンマーク王国により発行され、1991年には変動利付債(米州開銀)とCB(グラクソ)も登場した。
日本の債券市場に共通する流通市場の問題(社債登録制度・流動性の低さ等)はあるものの、金利動向に合わせて、発行体・投資家双方のニーズに合った商品を提供しうる市場として成長してきた。なお国内債であるために、日本法を準拠法とする。また、金融商品取引法に則った開示書類を作成し、原則として債券の管理会社を設置する。