安定調達比率(あんていちょうたつひりつ)
国際業務を行う銀行の自己資本規制であるバーゼル3で新たな枠組みとして合意された規制(「自己資本比率規制の厳格化」、「定量的な流動性規制」、「レバレッジ比率規制」)のうちの「定量的な流動性規制」を測る際に用いる指標のひとつ。「利用可能な安定調達額(資本+預金・市場性調達の一部)」を「所要安定調達額(資産)」で除した割合。
2008年に起こった世界金融危機では、自己資本比率が最低水準を大きく上回る銀行でも、保有していた資産が流動性不足で売買できず、資金繰りが困難に陥る場合があったため、安定調達比率を100%以上とする規制を新たに設けた。
銀行業務の特性上、保有を避けられない「流動性が低い資産」総額以上の「流動性が高い資産」を保有することで、銀行が流動性不足のために債務不履行になるリスクを軽減するのが目的。
流動性が高い資産の例としては、「残存期間が1年以上の長期負債」、「個人、中小企業からの預金」、「残存期間が6ヵ月以上1年未満の中央銀行や金融機関からの資金調達」など。流動性が低い資産の例としては「固定資産」、「デフォルトしている証券」などがある。