ボルカールール(ぼるかーるーる)

ボルカールール(ぼるかーるーる)

分類:制度・法律

2010年夏に成立した米国の金融規制改革法(ドッド・フランク法)の中核となる「銀行の市場取引規制ルール」のこと。2015年7月21日より全面適用されている。

銀行が自らの資金(自己勘定)で自社の運用資産の効率を図るためにリスクを取って、金融商品を購入・売却また取得・処分をする事を禁止する。オバマ米大統領の呼びかけにより、ポール・ボルカー元米連邦準備理事会(FRB)議長が提唱した。

具体的には、米国の銀行によるデリバティブや商品先物の取引を規制し、未公開株ファンドやヘッジファンドなどへの出資も制限する。一方、顧客のリスク回避などを目的としたヘッジ取引や、値付け(マーケットメーク)取引、米国の国債や政府機関債、地方債のほか、外国銀行の在米拠点における外国国債の債券取引などは規制対象外となっている。

2008年の金融・経済危機を引き起こした要因が米大手銀行の放漫経営にあり、金融機関の破綻や公的資金投入による救済が続出したことから、「預金者のお金を高リスク取引に二度と回させない」との理念に基づいて導入された。