株主名簿(かぶぬしめいぼ)
株式の発行会社が、株主を把握するために作成する決定帳簿のこと。株主の氏名、住所、保有株式数、取得年月日等が記録されている。
上場株券の場合、すべての株券が振替制度のものと管理されるため、日々の株主の変動についての情報は振替機関等が備える振替口座簿に記録される。そして、会社が定めた基準日等の一定の時点に、振替機関が振替口座簿の情報を発行会社に通知(この通知を一般に「総株主通知」という)することにより、その情報が株主名簿に反映されることになる。
上記の通り、日々の株主の変動に関する情報について発行会社は認知していないため、株主提案権や株主による取締役の行為の差止めのような、株式の一定期間の継続保有が要件となる少数株主権が行使された場合、発行会社はその要件を満たすかどうかの判断ができない。そのため、株主は、口座管理機関(主に証券会社)を経由して、振替機関に自己が要件を満たしていることを発行会社に通知すること(この通知を一般に「個別株主通知」という)を請求することができる。この請求がなされた場合、振替制度のデータベースを利用して、他の口座管理機関で保有する株式数や保有期間なども含んで発行会社に保有株式数や増減履歴が通知されるので、発行会社は少数株主権を行使する株主が要件を満たしているかどうかを判断することが可能になる。