金利と物価(きんりとぶっか)
金利の動きと物価には密接な関係がある。一般的には、物価が上昇すると、金利の上昇要因になると考えられる。
例えば、好景気になると消費や設備投資が活発になる。消費が増えるということは、モノやサービスの買い手が多くなるということなので、需要と供給の関係から、物価(モノやサービス価格を総合したもの)は上昇する。物価上昇の傾向が強くなると人々は少しでも安い値段で早くモノを買おうとするので、お金が使われる。金融機関はお金の流出を防ぐために、より有利な高い金利を預金者に提示する。その結果、金利が上昇する(1973~74年、1979~80年当時の石油危機時代の物価急騰・金利急騰が代表的な例である)。
また、物価は預金者が手にする金利にも影響を与える。例えば、A銀行で100万円を年利1%で預金したとすると、税金などを考慮しなければ、1年後の受け取り金額は101万円になる。一方で、同じ1年の間に物価が2%上昇したとすると、100万円だったモノの値段が102万円になり、同じモノを買おうとしても1万円足りなくなる。このように、物価が上昇するということは、相対的にモノの価値が上がり、それだけお金の価値が減ることになる。
反対に、物価が下落すると金利の低下要因となり、モノやサービスの値段が下がることでお金の価値が上がると考えられる。