現代投資理論(げんだいとうしりろん)
投資信託をはじめとするポートフォリオのリスクとリターンの関係を明らかにした現代ポートフォリオ理論、別名MPT(Modern Portfolio Theory)のこと。
1950年代に米国のハリー・マーコウィツ氏が構築した分散投資理論を基盤とする。資産運用において価格変動リスクを抑えながら一定のリターンを期待するうえでは、ポートフォリオとして多数の銘柄や複数の資産に分散投資するのが有効であり、ポートフォリオ全体の価格変動リスクは、組入銘柄の個々の価格変動リスクおよびその組入比率に加え、任意の2銘柄間の値動きの連動性を表す相関係数で決まることが示された。同氏は投資理論における先駆的な功績により、1990年のノーベル経済学賞を受賞している。
ただ同理論は、銘柄の価格変動リスクは過去から将来にわたって変わらないものとするなど現実にそぐわない仮定を前提にして成り立っている。このため、2008年のリーマン・ショック後には多くの金融資産間の相関係数が高まると同時に、価格変動リスクも増大したため、同理論が提唱するリスクを低減しながらリターンを向上する分散投資効果が期待できなかったとして、理論の限界を示す指摘もある。