量的・質的金融緩和(りょうてき・しつてききんゆうかんわ)
日本銀行による金融緩和の強化策。2013年4月の金融政策決定会合で導入を決定し、金融政策の操作対象を従来の金利(無担保コールレート・翌日物)から資金供給量(マネタリーベース)の「量」に変更してこの供給量を増加、さらに「質」にも配慮して長期国債を買い入れることや、上場投資信託(ETF)などのリスク性資産の買い入れ額を拡大するというもの。第2次安倍内閣がデフレ脱却策として掲げた「大胆な金融緩和」を日銀が実現したもので、この金融緩和策の導入により2013年以降の2年程度をメドに2%の物価上昇率を目指すとしていた。
2016年1月には「マイナス金利付き量的・質的金融緩和」を導入。日本銀行当座預金の金利を一部マイナス化することでイールドカーブの起点を引き下げ、大規模な長期国債買入れとあわせて、金利全般により強い下押し圧力を加えていくことで2%の物価安定の目標の早期実現を図るとした。さらに日銀は2016年9月、「長短金利操作付き量的・質的金融緩和」の導入を決定。長短金利操作(イールドカーブ・コントロール)により、短期金利については、日銀当座預金のうち政策金利残高にマイナス0.1%のマイナス金利を適用するとともに、長期金利については、10年物国債金利が概ねゼロ%程度で推移するよう、長期国債を買い入れることにした。