量的緩和(りょうてきかんわ)

量的緩和(りょうてきかんわ)

分類:経済

中央銀行が市場に供給する資金の量を増やすことで、金融市場の安定や景気回復を図る政策。

日本の場合、日銀の金融緩和政策の操作目標を「短期金利(無担保コール翌日物金利)」ではなく、日銀が金融機関等から受け入れている当座預金残高などの「量」(マネタリーベース)に置いた金融政策のことをいう。日本では、バブル経済破たん以降、低金利政策が長期にわたって実施されても、金融機関の不良債権処理が進まず、なかなか実体経済に十分な資金が供給されない状況が続いていた。こうした状況を改善し、金融システムの安定化とデフレを防止するべく2001年3月から量的緩和策が導入されたが、2006年3月に解除された。

その後、日銀は2013年4月に量的な金融緩和を推進する観点から、再び金融市場調節の操作目標を、短期金利からマネタリーベースに変更し日銀は2016年9月、物価上昇率の実績値が安定的に2%を超えるまで、マネタリーベースの拡大方針を継続すると決定した。

米国では、米金融危機による景気低迷への対応策として、米国債や住宅ローン担保証券などを買い入れ金融市場への資金供給量を増加する手法(LSAPs)を採用。2008年11月から2010年6月までの「QE1」、2010年11月から2011年6月までの「QE2」、2012年9月から2014年10月までの「QE3」と、3度の大規模な金融緩和を実施した。