シムズ理論(しむずりろん)
米プリンストン大学のクリストファー・シムズ教授が提唱する「物価水準の財政理論(FTPL,Fiscal Theory of the Price Level)」のこと。
ゼロ金利の制約に直面した状況で金融政策が有効性を失う場合は、インフレを生むように意図した追加財政が代役となり得る。その場合の追加財政は、将来の増税や歳出削減で賄うことを前提にした通常の財政赤字ではなく、インフレでファイナンスされた財政赤字だとする考え方。ゼロ金利下では金融政策によって物価を上げる効果は小さいため、財政政策の拡大によって意図的にインフレを起こし、債務の一部を増税ではなく物価上昇で相殺させると宣言することで人々のインフレ期待を高める。
ヘリコプターマネー政策と同様に、日本経済のデフレ脱却と債務圧縮のための実験的な政策として話題となった。