自己株式取得(じこかぶしきしゅとく)

自己株式取得(じこかぶしきしゅとく)

分類:会社・経営

株式会社が自ら発行した株式を取得すること。

旧商法制定以来、一度払い込まれた資本は維持されなければならないという「資本充実維持の原則等」により、一部を除き原則禁止されていた。2001年の商法改正で自己株式の取得および保有規制が見直され、2006年5月に施行された新会社法では、自己株式の取得手続きが緩和された。

2001年の商法改正まで自己株式は「資産」とみなされ、通常の有価証券と同じ取り扱いをされていたが、改正以降、会社が自ら自己株式を取得することは、株主に対する資本の払い戻しとして「資本の控除」とみなされるようになった。2006年度の税制改正以降は、法人税法上でも自己株式の取得を資本金等の減算として扱われている。

自己株式取得のメリットとしては、財務指標の改善効果、敵対的買収に対する防衛、企業組織再編への活用等が挙げられる。一方、自己株式の処分時には、新株発行時と同様に、取締役会の決議や公告など様々な手続きを行う必要がある。