ジョージ・ソロス(じょーじそろす)
ユダヤ系ハンガリー生まれで、グローバル・マクロと呼ぶ手法を中心に大規模なヘッジファンド運用で財をなした著名投資家。冒険家としても有名なジム・ロジャーズ氏と共に1973年から運用を開始したクォンタム・ファンド(Quantum Fund)は10年間で40倍以上に価格上昇したとされる。
1992年には当時割高とされていた英ポンドに目をつけ、100億ドルに上る大掛かりなポンド売りをしかけたことで、ポンドが急落。英国中央銀行は利上げやポンド買い支えなどの通貨防衛策をとったが、ポンドは下げ止まらず、英国はERM(欧州為替相場メカニズム)を脱退、変動相場制への移行に追い込まれたことから、「イングランド銀行を負かした男」としてその名を世界にとどろかせた。日米間の為替相場と通貨供給量の比率には相関があるとする「ソロスチャート」の考案者でもある。
投資家とは別に思想家、慈善家としての顔も持つ、「開かれた社会」や「市場の再帰性」などの考え方で知られ、同氏の思索の一端を知ることができる自著もある。2011年にファンドの運用からは引退し、個人資金を除くファンド内の投資家資金を全額返済した。