低ボラティリティ運用(ていぼらてぃりてぃうんよう)
ボラティリティ(価格変動リスク)が低く価格変動の振れ幅が小さくなるようポートフォリオを組み、下落リスクを抑えながら高い投資効果を目指す運用戦略。米国株や日本株など、ある株式市場を母集団にして複数銘柄でのポートフォリオを組んだ場合、ポートフォリオの過去の価格変動リスク(=分散)が小さいほど、その後のリターンが大きくなり市場平均のリターンをも上回る場合が少なくないとする最小分散投資の考え方に基づいた手法である。
ただし、低ボラティリティ運用のリターンが市場平均を上回ることがある決定的な理由は見つかっておらず、効率的市場仮説に反するアノマリーの位置づけを脱していない。
価格変動リスクを計算する基になるリターンの分布図が、統計数学で最も美しく理想的とされる、つり鐘状の正規分布には従わず歪んでいることや、リスク自体が一定ではなく時間の経過とともに変化することが関係している可能性がある。低リスクのため、株式相場の下落局面での下げ幅が小さくなる一方で、上昇局面では市場平均に追随しないが、中長期でみると、株式相場が上げ下げを繰り返す中で、下値抑制効果が安定したリターンを生み、結果的に運用成績が市場平均を上回ったという傾向もみられる。