トービン税(とーびんぜい)

トービン税(とーびんぜい)

分類:税金

為替取引に対して税金を課すことで、短期的な投機目的の取引による為替相場変動を抑え、安定化させることを想定した税制の仕組み。金融取引税、通貨取引税などと呼ばれることもある。1981年にノーベル経済学賞を受賞したトービン氏が1972年に提唱した。

ただ、同税制は全世界各国が一律に同率の税制を導入しないと、租税回避国(タックス・ヘイブン)に資金を移すことで税負担を免れるといった抜け道をふさぐことはできないことに加え、為替取引の流動性低下で逆に為替変動が激しくなるという考え方もある。

ユーロ圏などでは、金融危機対策や発展途上国向け経済支援の費用を賄う財源などの観点から、為替取引を含めたあらゆる金融取引に対して一定の税金を課す金融取引税(FTT)の導入について基本合意しているが、対象となる金融商品や税率をめぐり各国の意見が異なるため協議は難航している。