イールドカーブ(いーるどかーぶ)

イールドカーブ(いーるどかーぶ)

分類:分析・指標

横軸に債券の残存年数(残存期間)、縦軸に最終利回りをとった座標に、各債券の残存年数と最終利回りに対応する点をつないだ曲線のこと。

イールド(yield)とは利回りを指す。

1つの債券の動きを表すものではなく、同等の債券種別の中の残存年数の異なる債券群が1本の曲線の形で表現される。例えば、割引国債には残存年数ごとに複数の債券(商品)が存在しており、それら複数の債券が1本のイールドカーブ曲線上に描画される。

債券種別間の特性比較に用いるほか、残存期間の長短が生み出す利回り(金利)格差、すなわち「金利の期間構造」を分析する際に利用する。通常、長期金利は短期金利を上回っており、イールドカーブは右上がりの曲線になる。この状態を「順イールド」という。逆に、短期金利が長期金利を上回り、イールドカーブが右下がりの曲線となっている状態を「逆イールド」という。

2013年4月に日銀が導入した量的・質的金融緩和政策では、イールドカーブ全体を押し下げ、短期金利のみならず中長期の金利についても引き下げることで、景気を刺激することを目標のひとつとした。さらに日銀は2016年9月に長短金利操作(イールドカーブ・コントロール)を導入し、短期金利については、日銀当座預金のうち政策金利残高にマイナス0.1%のマイナス金利を適用するとともに、長期金利については、10年物国債金利が概ねゼロ%程度で推移するよう、長期国債を買い入れるとした。